門前にて立ち往生

エッセイ的なことに憧れて始めました。

軽く会えるだけの友人関係に憧れる、友達が少ない社会人の話。

最近、人間関係に飢えている。

 

 私は、比較的一人で行動することが好きな部類だと思う。

この前、会社の同僚と昼休みに「一人で行動がどこまでできるか」という話になった。

 

 2人のうち、一人は映画まで、もう一人はカラオケに一人で行ったことがあるという結果であった。また、服などのファッションについては、一人では買いに出かけないということを知った。

 

 私は、映画にも、カラオケにも、ましてや服を買うのも、ほとんど一人で行動している。しかし、このことを伏せ、できる限り話を合わせてしまった。

 

 一緒に出掛ける友達がいないという劣等感が発言の邪魔をしたのだろう。しかし、それと同時に、私は一人でも行動ができる、ある程度自立した人間ではないかといった優越感もあった。

 

 一人で行動ができることは問題ないのだが、心に少し隙間ができていることに、最近になって気が付いた。楽しさ、嬉しさ、悔しさを共有できる友人が欲しい、そう思うのだ。

 

 以下に、友人ができたらやりたいことのリストを記す。

・将棋、囲碁などのテーブルゲーム ・ビリヤードやダーツをやるもの楽しそう

・喫茶店で作戦会議

・音楽、特にジャズ系(私は、ピアノかサックスを担当したい)

 

こうやって、書いてみると、私は他人に行動を望んでいることが分かる。

しかし、自ら行動せずに、他人に行動を望むのは、間違っている。

 

 友人よりも先に、将棋をはじめ、ある程度ルールを覚える。音楽に関しても、0から始めるのではなく、はじめにピアノがある程度できる状態にしておけば、一緒にJAZZがやりたい、将棋がやりたいといった話に持っていきやすいはずだ。

 

 ただの決意表明になってしまい、ここまで読んでもらった人には、得るものがなく申し訳ない。だが、少しでも共感していただけるなら、応援してほしい。

 

 機会があれば、この無意味な日記を読んできる読者とも、そういった話がしたいものである。また、何かあれば書く。最後まで読んでいただき、感謝いたします。

 

 

そして世界の風呂をめぐる(1)

先週から、私の頭のなかを、一つの願望が支配していた。

 

「「大きい風呂に入りたい。」」

 

あぁ、貧乏人の一人暮らしはつらい。

部屋には、ユニットバスがあるが、なぜか浴槽に穴が空いており、へそ上までしかお湯がたまらないように設計されている。

 

肩までつかるには、代わりに尻が犠牲になる。

頭隠して尻隠さずとは、風呂場にいるアホな私を見た御仁の言葉ではないだろうか。

 

そんなことを考えながら、いつもシャワーのみで済ます日々。

抜け出したい、大きな風呂に浸かって、「あぁ...」と気の抜けた阿呆な声を上げたい。

 

溜まり、溜まった不満は、いつしか行動に移る。

「そうだ、温泉に行こう。」

 

近くの銭湯、温泉で調べると、多くの検索先が引っ掛かる。

しかし、私の移動手段は、電車とバスのみである。

 

山奥の秘湯や、有名な温泉街などは行きづらい。

 

そんななか、ある謳い文句に心を惹かれた。

「世界の大温泉 スパワールド

 

ここは、大阪の通天閣近くにある、温泉施設である。

(小さいころ、よく親に連れて行ってもらった。)

 

大阪観光に来る際は、「スパワールドで風呂に入り、夜の通天閣周辺を散歩する」というコースがおすすめだ。

 

スパワールドでは、アジアゾーン、ヨーロッパゾーンに分かれており、月替わりで、男女の風呂場が逆転する。

 

今月は、男性がヨーロッパゾーン、女性がアジアゾーンの月だった。

各ゾーンでは、その地域の国をイメージした風呂が数種類ある。

 

私は、青の洞窟という、洞窟のなかを青いライトで照らしてある風呂が好きだった。

また、魚の水槽があり、ボーっと湯に浸かれる風呂も記憶に残っている。

 

話が逸れたが、私はスパワールドに行くことを決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金木犀の香水を求めて、久しぶりに実家に帰る。

10月に入り、季節は秋である。

食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋など、秋には様々な顔がある。

 

私は、季節のなかで「秋」が特に好きだ。

春は虫が多いし、夏は暑い、冬は寒い、しかし秋にはコレといった欠点が見つからない。むしろ、多くの顔があり、ただ普通に生活をするだけでも、その季節を五感で感じることができる。

 

特に好きなのが、香りである。

 

秋の香り、私は「金木犀(キンモクセイ)」の香りが好きだ。

実家には、大きな金木犀の木があり、秋になると良く花を咲かせ、その甘い香りが庭に広がる。実家にいたときは、あまり意識をしていなかったが、ふと散歩中に金木犀の香りがすると、少し懐かしく感じ、心がずしんと重くなる。

 

金木犀の開花時期は、短い。

9月の終わりから、10月始めごろまで。

 

今日は、10月2週目の土曜なので、そろそろ実家の金木犀も咲いているだろうか。

私は、金木犀の香りを求め、実家に帰る準備をした。

 

実家に帰るのは、約3か月ぶりくらいだろうか。

緊急事態宣言も10月から解除され、少し動きやすくなったが、依然気は抜けない。

 

しかし、久しぶりに親の顔を見るので、とてもうれしい。

多分、親も喜んでくれるだろうと思う。

 

私は、図書館で借りた2冊の本と、メモに使用している100枚綴りのつばめノートを鞄に入れ、家を後にした。親に駅まで、迎えに来てもらう必要があるので、LINEで連絡を入れた(バスでも帰れるが、値段が高いのと、あまり数がないので、しょうがない)。

 

電車では、ひたすら本を読み進めた。ノンフィクションの本で、日本の路地を回る男性作家の話だが、とても面白い。あまり旅行に行くことがないので、こういった旅行記は、読んでいて楽しい。

 

電車の旅を楽しみながらも、途中の乗り換え駅で時間ができたので、一度駅から出た。

何か手土産を買って帰ろうと思い立ったからである。前回、実家に帰った際に、ケーキを買って帰り、とても喜ばれたので、今回も何か買って帰ろうと考えた。

 

私は、阪急百貨店の地下で、悩みに悩み、結局、御座候という丸い饅頭を買った。

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お土産

そして、一本電車に乗り遅れた。

 

その後、なんやかんやあり、最寄りの駅に到着した。

そして、迎えの車が来ていたので、そのまま乗って実家に向かった。

 

ここで、やり切った感があったが、今回の目的はただ実家に帰ることではない。

私は、金木犀の香りを求めて、実家に帰るのだ。

 

電車に乗った疲労感と目的達成に対するワクワクを胸に抱え、段々と実家に近づく。

その時、なにを思ったか、私は親に1つ質問をした。

 

「そういえば、金木犀ってもう咲いてる?」

 

そう、そもそも金木製の花が咲いていないと、話にならない。

しかし、帰ってきた言葉は、期待していたものとは違った。

 

「あー、金木犀なら丁度この前、剪定したよ。もう花も落ちてきていたからね。」

 

なんと、金木犀の花はもう咲き終わっていたのだ。それどころか、実家に帰って改めて確認すると、もう枝が切られて、どれが金木犀の木かさえわからなくなっていた。

 

さよなら、金木犀の香り。

また、来年。

 

あと、手土産は、例のごとく、とても喜んでくれた。

来年は、帰る前に、実家へ連絡をすることを忘れないでおこう。

 

愛すべき同居人「セローム・デンドロン」現る。

8月某日、我が家に新しい同居人がやってきた。

その名を「セローム・デンドロン」という。

 

彼女は、葉脈の太い、大きく美しい葉を見ろげ、白い植木鉢の上に、凛と座っている。

 

ごきげんよう、これからこちらでご一緒することになった、セローム・デンドロンと申します。今後ともよろしくお願いします。」

 

いいところのお嬢さんなのだろう、第一声は多分こんなのだ。

 

もしくは

「ご機嫌麗しゅう。私、名をセローム・デンドロンといいます。不束者ではございますが、よろしくお願い申し上げます。」

 

といったことろだろうか。

後者は、少しかしこまりすぎて、引いてしまうな。

 

ともかく、彼女はとてもお上品であり、かつ母親のような温かみを持ち合わしているのである。

 

きっと、私が仕事から疲れて帰ってきた際は、「お疲れさま、いつもありがとう。」と毎回声をかけてくれるだろう。

 

あぁ、これからは、一人暮らしではなく、彼女との同居という形になるのか。

大学生のころでは、考えられない快挙である、

 

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セローム・デンドロン

以上。

また、何かあれば日記を書く。

 

追記:

現在、10月3日

最近、セレーナさん(セロームデンドロンさんの愛称)から、コバエが湧くようになった。推測だが、土が原因であると考えられる。調べると、コバエはキノコバエというらしい。こいつは不法侵入者なので、彼女に害が出る前に、対策を練らねば...

 

 

 

 

 

 

海水浴に行けない夏は、古本の海で泳ぐ。

今年の夏は、いつもと違う。

 

感染症の影響で、日本人の幸福度が下がっているからか。

地球温暖化が進み、夏の気温が常に上昇し続けているからか。

 

いや、違う。それもあるだろうが、違う。

 

では、なんだ? それは...

 

私は、今年の3月をもって、学生を卒業したからである。

そう、学生としての「夏」は終わったのだ。

 

「青春」というと言葉がある。

主に、学生時代の甘酸っぱい恋愛観や部活動に熱中する期間を指すときに用いられる。

 

 

生涯において、0~20歳までが春だとすれば、21~40歳までは夏、41~60歳までは秋、そのあと、61歳以降は冬ということになるはずだ。

 

だから何だという話だが、「私の学生としての夏」(青春の期間なので「春」かもしれない)は終わってしまったが、生涯における夏の期間は始まったばかりなのである。

 

なので、今年の夏は、いつもと違うのである。

お分かりいただけるだろうか。

 

さて、本題に入る。

 

先日、8月15日、京都の下鴨神社で開催された、古本市に行ってきた。

 

名称を「下鴨納涼古本まつり」という。

 

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下鴨納涼古本まつり


 

ここで、私の好きな小説家を紹介する。

急な話ではあるが、大切なので、少し話の割り込みを許してほしい。

 

京都の小説家、森見登美彦氏である。

 

彼の小説に「四畳半神話大系」というものがある。

この小説のなかに、主人公とヒロインの出会いのシーンがある。

その場所こそ、先日、私が参加した古本市である。

 

小説の内容については、これ以上触れないので、ぜひ手に取って読んでみてほしい。

特に、大学受験を控えた学生は必見だ(大学進学のモチベーションにつながるとか、なんとか...)。

 

という、私の好きな小説の世界に、一時ではあるが、関わることができたのです。

とても心地の良い時間でした(前日に雨が降っており、15日は納涼という言葉にふさわしい一日だった)。

 

40分ほど、古本を見てまわり、私は5冊の本と出会うことができた(割引料金に魅かれ、同じ店でまとめて買ったことは内緒である)。

 

マジメ人間 山口 瞳

ライン河幻想紀行 ユゴー著 榊原 晃三 編訳

秘画・写楽の謎 石沢英太郎

夜間飛行 サン・テクジュペリ 堀口 大學 訳

水中都市デンドロカカリヤ 安部公房

 

の5冊である。

 

1冊目 マジメ人間

この本は、まず表紙に魅かれた。

サントリーという飲料メーカーがあるが、そこのトリスウイスキーの広告キャラクターである「アンクルトリス」の生みの親、柳原良平がイラストを描いている(これが、とても可愛い)。

 

2冊目 ライン河幻想紀行

こういう紀行小説は、旅行した気分が味わえて少し楽しい。

大学時代は、深夜特急という小説を読み、バックパック1つで目的のない旅行に出かけることに憧れを抱いたものだ(深夜特急はシリーズものだが、1冊目しか読んでいない。いつかは全部読破したいものだ。)。

 

3冊目 秘画・写楽の謎

古本市では、いろいろな「絵」が売られている。

特に多いのが、浮世絵である。数十枚が重なって売られており、そこに丸眼鏡をかけた猫背の若者や大きなリュックを背負った老人が集まり、一枚ずつ丁寧に吟味している。

 

私は、浮世絵については全く無知である。しかし、そういう人たちを見ると、少し憧れを感じてしまうのは、男のサガだろうか。

 

ただ、写楽という名前には聞き覚えがあり、いつの間にか、この本を手に取っていた

(ちなみに写楽とは、江戸時代の浮世絵師のことである)。

 

4冊目 夜間飛行

言わずもがな、「星の王子さま」の作者、サン・テクジュペリの小説である。

この本を選んだ理由は、それ以上でもそれ以下でもない。

 

5冊目 水中都市デンドロカカリヤ

この本を書いた、安部公房については最近知った。

とあるYouTuberが、安部公房の「カンガルーノート」というお話を紹介していたのをきっかけに、地域の図書館で安部公房全集なるものを借りた。

 

独特の世界観で、読者を選ぶかもしれない(ちなみに私は、まだ彼の小説について、うまく説明できない)。

 

そういった、ちょっとした関係性から、購入に至った。

 

以上5冊で、まとめて300円という破格のお値段である。

さすがは古本市、本との出会いを邪魔しない。

 

もし、古本市に興味があれば、「秋の古本まつり」が10月30日~11月3日までの5日間、京都で開催されるので、ぜひ参加してみてはいかがだろうか(コロナウイルス感染症が、ある程度収まればの話だが)。

 

詳しくは、京都古書研究会のブログをチェックしてみてください。

 

前から行ってみたいと思っていた、古本市に足を運ぶことができ、とてもうれしい。

また何かあれば、ブログを書こうと思う。では、さようなら。

 

追伸

購入した本の写真を置いておきます。

 

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購入した古本たちの写真