門前にて立ち往生

エッセイ的なことに憧れて始めました。

軽く会えるだけの友人関係に憧れる、友達が少ない社会人の話。

最近、人間関係に飢えている。 私は、比較的一人で行動することが好きな部類だと思う。 この前、会社の同僚と昼休みに「一人で行動がどこまでできるか」という話になった。 2人のうち、一人は映画まで、もう一人はカラオケに一人で行ったことがあるという結…

そして世界の風呂をめぐる(1)

先週から、私の頭のなかを、一つの願望が支配していた。 「「大きい風呂に入りたい。」」 あぁ、貧乏人の一人暮らしはつらい。 部屋には、ユニットバスがあるが、なぜか浴槽に穴が空いており、へそ上までしかお湯がたまらないように設計されている。 肩まで…

金木犀の香水を求めて、久しぶりに実家に帰る。

10月に入り、季節は秋である。 食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋など、秋には様々な顔がある。 私は、季節のなかで「秋」が特に好きだ。 春は虫が多いし、夏は暑い、冬は寒い、しかし秋にはコレといった欠点が見つからない。むしろ、多くの顔があり、ただ普…

愛すべき同居人「セローム・デンドロン」現る。

8月某日、我が家に新しい同居人がやってきた。 その名を「セローム・デンドロン」という。 彼女は、葉脈の太い、大きく美しい葉を見ろげ、白い植木鉢の上に、凛と座っている。 「ごきげんよう、これからこちらでご一緒することになった、セローム・デンドロ…

海水浴に行けない夏は、古本の海で泳ぐ。

今年の夏は、いつもと違う。 感染症の影響で、日本人の幸福度が下がっているからか。 地球温暖化が進み、夏の気温が常に上昇し続けているからか。 いや、違う。それもあるだろうが、違う。 では、なんだ? それは... 私は、今年の3月をもって、学生を卒業し…